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駐新地方鉄路
Zhuxin Provincial Railway
2012.11.21-22
レポート :  【 2012.11 】 【 2013.5.前篇 】 【 2013.5.後編 】
         
   
河南省の駐馬店市に地方鉄路が存在していたことは、C2Freakさんの ”2ft 6in steam in China” のなかに 「専用鉄道・地方鉄道」河南省編 として紹介されているので知っていました。でも、最近のGoogle 衛星写真を見る限りでは、駐馬店駅周辺が再開発されつつあり、既に廃線になっているもの と 推測 していました。

そのようなわけで、今回 駐馬店を訪れたのも、豫南水泥 の専用線の訪問が 目的だったのですが、訪れてみると 6月から 運行を停止していることを 知らされ、時間が 余ってしまいました(運行停止情報 参照)。

そこで、鄭州から来てくれたガイドさん(楊江龍氏)に相談し、2 km ほど先にある 地方鉄路の終点(独山駅)の遺構を見てから帰ることにして、タクシーに 向かってもらいました。  
  
   

 
 
 
  廃屋と思われる 独山駅の駅舎 に近づいたところ、なんと 中から職員が出てきました。

彼は 「石灰石列車なら、今でも毎日1往復走っているよ」 と教えてくれたので、驚きました。

廃線になっていたのは、駐馬店東-老君廟 間 だけ だった ということがわかりました。

残念ながら、この日の運行は 終わっていましたが、翌日であれば、老君廟からの列車が 朝7時半頃に ここ独山駅に到着するということを教えてもらえました。

なお、鉄道の名前も、今では「駐新地方鉄路」という名になっていることも わかりました。
  翌朝、再び 独山駅を訪れ 駅の近くで 列車の到着を待ちました。

やがて、空車をけん引する箱型ディーゼル機関車(002号機)が、朝もやの中から 姿を現しました。

よく見ると、機関車の前面部分は 鉄板で塞がれていて、なんと 運転席がありません。

何とも異様な光景に、腰を抜かさんばかりに驚きました。
     
  続きです(002号機)。
     
  列車を追いかけて 独山駅に戻ってみると、機関車を 編成の後部に付け替えているところでした(002号機)。

職員によれば、石灰石積込施設は、更に 4km ほど先にあり、ここから先は、引込線を推進運転で進んで行くそうです。

なお、すぐ近くに小学校があり(後ろに校舎が見えます)、独山駅の構内は、小学生の通学路のようになっていました。
 
     
  ディーゼル機関車の銘板を撮りました(002号機)。

石家庄市動力機械廠製 の NY380型 です。

製造時期については識別できませんでした。
 
     
  2日続けてやって来たため、職員達から よほど酔狂な外国人 と思われたのでしょう。

「一緒に貨車に乗って、終点の積込施設まで行って見るか?」と 聞かれました。

こちらに、異存があろうはずは ありません。

先頭の無蓋車に乗せてもらうと、間もなく 列車は 推進運転で、引込線を ゆっくりと走りはじめました(002号機)。
     
  先頭貨車には、安全監視のための職員が 直立不動の姿勢で乗っています。

私達は邪魔にならないように同じ車両の後方に立っているのですが、スピードの割には、横揺れ・縦揺れともに凄まじく、怖い位です。
     
  20分ほどかけて引込線を走り抜け、機回し線のない 積込施設に到着しました(独山駅から推進運転で走ってきた理由が、ようやく わかりました)。

この後、貨車のサイドに横付けされたダンプカーから石灰石の搬入作業が行なわれます(002号機)。
     
  石灰石を積んだ列車が、独山駅に戻ってきました(002号機)。
     
  次は、老君廟に向かう列車の接近を、独山-焦庄 間で待つことにしました。

間もなく 警笛が聞こえ、暫くすると 霧の中から列車が現れました(002号機)。
     
  焦庄の踏切を、警笛を鳴らしながら徐行運転で通過します(002号機)。

いつの間にか現れた踏切番の女性が、交通を遮断しています。

この後、我々も タクシーで老君廟駅に向かいました。
     
  列車を追いかけて、終点の老君廟駅にやってきました。

駅の構内には、客車、ディーゼル機関車、貨車、レールバスと、様々な廃車体が並んでいました。
     
  老君廟駅の駅舎は、ほとんど使われていない様子です。
     
  昼下がりの構内では、到着した機関車の給油作業が始まっていました。

職員によると、現役の機関車は この2両だけだそうです(002号機、004号機)。

かつて、駐馬店東にあった機関庫も、すでに閉鎖されてしまい、車両の点検整備は さぞ大変では?と思われました。

なお、独山からやってきた石灰石列車は、ここ老君廟から 東方に 進む向きを変えて、郭楼郷に向かう そうです。

但し 残念なことに 明日の朝まで 走らない とわかりましたので、これにて 撤収することになりました。