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河南省地方鉄路 朝杞線
Henan Provincial Railway / Chaoqi Line
2010.9.25-26
レポート :  【 2010.9 】  【 2011.1 】
         
   
河南省には、かつて 狭軌の地方鉄路が 数多く存在し、貨客輸送が行なわれていました。

鄭州分局の朝杞線(朝陽溝-新鄭-杞県 間)は、それらのなかでも最後まで残っていた線のひとつでした。

しかし2008年に運休となり、その後は 新鄭駅構内などで 標準軌の敷設工事が行われている との 目撃情報も ネット上で拝見していたため、既に改軌されて ナローゲージは姿を消したものと 考えていました。

この日は、朝から近くの 河南省建材廠 を訪れたのですが、天候不順のため 粘土輸送列車が運休になってしまいました。

そこで、せめて 廃車体や遺構 だけでも 見ておきたいと考え、鄭州のガイドさん(牛育軍氏)にお願いして、彼の乗用車で こちらに回ってもらうことにしました。
  
   

 
 
  乗用車で 新鄭の街に近づくと、地図にあるとおり 地方鉄路の踏切が見えてきました。

既に改軌されているとすれば、標準軌の線路があるはずですが、何だか妙な感じです。
     
  なんと、渡ったのは、デュアルゲージ(3線区間)の線路でした。

そして、踏切の左手(新鄭寄り)には、真新しい設備の南関という貨物駅が見えました。

南側には、バラストの積込施設が作られています。
     
  この日は 悪天候のため、テンションも低めだったのですが、朝杞線が 存続しているらしい ということがわかり、急に元気が出てきました。

次は、新鄭の街中にある新鄭駅に向かいました。

駅と言っても客扱いをしているわけではありませんので、駅舎は 鄭州分局などのオフィスとして使用されている模様です。

公安関係の表札や車両も見受けられましたので、立ち入りは見合わせます。
     
  駅舎の裏手に広がる 構内の様子です。

一番右側に、新たに 標準軌の線路が設けられているものの、他は 全て 狭軌 のままで 残っていました。

列車の走る気配は全くなく、通りがかりの職員からも、「もう 17時なので、明日の朝まで列車は来ないぞ」 と言われました。

このため、鄭州に戻らなければならない ガイドさんと お別れし、私一人 新鄭の街に居残ることに決めました。
     
  新鄭駅近くのホテルに宿泊し、翌朝 7時過ぎに 駅の東側にある 機関庫を訪れてみることにしました。

早朝から保線作業が行われている 本線の南側に、機関庫がありました。

 
     
  新設のデュアルゲージ区間は 機関庫の手前までで途切れていて、 機関庫の敷地内には 昔ながらの情景が広がっています。
     
  8時15分になると、回送の列車が 排煙を出しながら 発進し始めました(3817号機)。

 
     
  出庫した回送列車は、引込線を経て本線に合流します(3817号機)。

このあたりは、デュアルゲージ同士の分岐点となっているため、6本のレールが ひしめき合うようにして並んでいます。
     
  上の写真の続きです。

回送列車が、デュアルゲージ区間を走り抜けて行きました(3817号機)。

なお、この先の新鄭駅の構内は、ナローゲージ(762mm)と標準軌が 別々に敷設されいるため、デュアルゲージ区間は 一旦ここでお終いになります。
     
  列車を追いかけて、新鄭駅までやってきたところ、運転士達が下車するところでした(3817号機)。

このあと 彼等は 駅舎に入ってしまい、暫らく待っても 出てきませんでした。
     
  3817号機の銘板です。

長沙で製造された NY380型 とあります(製造時期については読み取れず)。
 
     
  陸橋から 構内を見下ろしたところです(3817号機)。

客車の姿も1両 見えています。

この後は、タクシーを拾って 鄭州空港へと向かいました。