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広元砿鑫能源 黄家溝煤砿
Guangyuan Kuangxin Energy / Huangjiagou Coal Mine
2018.3.7
レポート :  【 2018.3 】
         
   
この炭砿の存在を知ったのは、2015年の年末に 旺蒼県のホテルに宿泊した時でした。

ホテルの支配人から、「ここから 5km ほど先の黄家溝にも 炭砿があり、積替施設まで軌道を使って 石炭を運んでいるから、訪ねてみたら?」 と 勧められたのです。

願ってもない話と、早速 翌朝 訪れてみたものの、残念なことに 半年前(2015年6月)に 操業を停止してしまった後でした。

当時は、てっきり このまま閉山になるもの と覚悟していたのですが、2018年になって 現地のタクシー運転手さん から 操業を再開した との情報をもらい、今回の再訪となりました。

なお ガイドは、前回同様 成都の王涛さんに お願いしました。
 
   

 
  まずは、2015年12月に 初めて訪問した時の様子から ご紹介します。

ひっそりとした 炭砿の構内には、空のトロッコを繋いだ電気機関車が停まっていました(手前2号機、後ろ1号機)。
     
  また、片隅に設けられた廃材置場には、小型ディーゼル機関車の廃車体の姿がありました。
     
  (この時は)このまま 閉山になれば、二度と来る機会はないだろう と思い、せっかくの機会なので 電化軌道を 積替施設まで 辿ってみることにしました。

歩いてみると、炭砿側から 第一、第二・・ という順に 計4つの隧道が連続していて、第四隧道を出るまで 屋外を走る区間が 殆どありません。

例えば、左の写真は 第一隧道の出口付近から 第二隧道の入口を眺めたところです。

これまで 何度か Google の衛星写真を眺めたはずですが、気付かなかった理由が 納得できました。

 
     
  第四隧道を出た辺りから、終点の積込施設までの間が ようやく 開けた区間となります。

この辺りを歩いていた時に、線路脇の草ムラから 牛が 突然 飛び出してきて、肝を冷やしたのは 懐かしい思い出です。
     
  第四隧道を出たところからは、ズリ捨て線が分岐しています。

ズリ捨て線は 非電化で、先端部分には 移設可能な簡易チップラーが装着されています。

なお 先ほどの牛は、ズリ捨て場で 放牧されていたうちの 1頭でした。

 
     
  一方、電化軌道の終点の積替施設は ご覧のような エンドレス状になっていて、こちらには 本格的なチップラーが 設置されています。

坑口から ここまで 約 3 km の道のりでした。
     
  チップラーの下からは、山麓の積出施設まで続く ベルトコンベアが伸びています。

私達も、並行する 畦道を通って 下山することにしました。
 
     
  すっかり前置きが長くなってしまいましたが、ここからが 今回の訪問となります。

10時前に 坑口を訪れたところ、職員の姿も多く見られ 操業再開の話が 事実であることがわかりました。

居合わせた職員から、2017年7月に再開したことや、空車列車が 間もなく戻ってくる という話を聞き、第一隧道の手前で待ち受けました(1号機)。
     
  空車列車は 154郷道の踏切の手前で 暫らく停車したため、撮影場所を移動することができました(1号機)。

交通に支障があるためか、踏切部分の架線は 撤去されています。

遮断機の開閉作業は 女性職員が担っていました。
 
     
  踏切を渡り終えると、炭砿の構内です。

列車は停車せず、そのまま 坑内に入って行きました(1号機)。
     
  次に、ズリ捨て場へ向かいます。

炭砿が 操業中となると、前回のように 線路伝いにトンネルを抜ける訳にも行かず、ズリ捨て場の近くに車を乗りつけ、その先は 山道を登って行くことになりました。

途中、崖の上で 見え隠れする 作業員の姿に、はやる気持ちを 押え切れません。

 
     
  息を切らしながら 11時過ぎに 登ってみると、最後に残ったトロッコのズリ捨て作業が 行なわれているところでした。
     
  ズリを降ろし終えた 空トロッコは、女性作業員の手で ズリ捨て線を運ばれて行きます。
     
  それから 30分ほどすると、第四隧道から 石炭列車が 出てきました(1号機)。

 
     
  この石炭列車は、編成の中間に ズリを載せたトロッコを挟んできたらしく、仕分け作業が始まりました(1号機)。

写真左側の線路が 積替施設に向かう 電化軌道、右側の線路が ズリ捨て線です。
     
  仕分け作業中の 1号機 です。

やがて 作業が終わると、石炭列車は 終点の積替施設に向けて 動き出しました。
 
     
  列車を追って 先へ歩いて行くと、機関車が 機回し線に停まっていました(1号機)。

ちょうどトロッコを積替施設へ運び込んだところらしく、この後 石炭を降ろし終えるのを待って 炭砿に曳いて帰るのだそうです。



 
     
  ズリ捨て場に引き返し 待っていると、12時15分に 戻りの空車列車が 通過して行きました(1号機)。

私達も、旺蒼の街を目指して 山道を下ることにしました。