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豫見鉄路
Yujian Railway
2016.6.2-3
レポート :  【 2016.6 】  【 2019.4 : 二ノ宮様 】
         
   
かつて 河南省地方鉄路や河南省建材廠に案内いただいたことのある 鄭州の旅行社に依頼し、豫見鉄路の関係者に連絡を取ってもらったところ、施設を見学させてもらえることになりました。

正式な開業は 年末まで先送りとなっている模様ですが、「少し位なら 列車を走らせてくれるかもしれないです」 という話に 半信半疑ながら、期待を膨らませて 訪問してみることにしました。

車庫は、少林寺で有名な登封市にあります。

鄭州のガイドさん(楊江龍氏)や 同行の竹内さんとは、鄭州駅前で待ち合せ、 高速バスで登封に行き その先はタクシーを利用して現地入りしました。
   
   

 
 
  構内に入っていくと、真新しい上屋の下に 2両の蒸気機関車(C2型)が並んでいました。

001号機は 英豪から運んで来たもの、002号機は 新鄭車庫に保管されていたものだそうです。

2両ともに、運転室は新しく作り直され、テンダーに至っては 後部に異様な突起があります。

案内してくれた職員によると、この部分には 客車に照明・空調を行なう発電装置を収納しているそうです。

一方、走行に必要な燃料は、無煙炭を使用するようです。
 
     
  工事中のプラットホームを奥へ進むと、003号機の姿も見えてきました。

こちらのテンダーには、先ほどのような突起はありません。

「こちらに 一体 何両のC2が居るのですか?」と尋ねると、「13両」 という耳を疑うような答えが返ってきました。

何でも、5-6年前に ハルビンの業者から スクラップ同然の車両を 大量に仕入れたそうで、これらを含めた数のようです。

これらの部品を使いながら組み立てているため、003号機の由来も 定かではないのだそうです。
     
  次に、隣に建つ建物の中を見せてもらいました。

こちらでは、今まさに 次のC2を組み立てているところでした。

既に 新しいボイラーの据え付けが終わり、運転室の骨組みが 溶接されつつあります。

手前には 別の車体があり、左手にはテンダーも並んでいます。
 
     
  C2の廃車体が 多数 置いてあるという 車庫裏の空き地を案内してもらいました。

この写真には、手前に2台、奥には更に1台のボイラーが 写っています。

これらの 状態の良いパーツを選んで、利用していくようです。

「それでは、ディーゼル機関車は 何両あるのですか?」と尋ねると、「数十両あります」 という 驚くような答えが返ってきました。


今回、新たに整備されたのは数両と思っていましたが・・・
     
  「車庫から 5kmほど先に、廃車体が並んでいるよ」 と教えられて、タクシーで向かってみました。

側線には、NY380型やJMY380型など かつての主力機関車の廃車体が 数多く 留置されていました。

かつての 朝杞線の繁栄振りが 偲ばれます。

なお、翌日 蒸気機関車けん引の客車列車を走らせてもらえることも 確認でき、この日は 安心して 登封のホテルへ引き上げました。
 
     
  翌朝 8時前に車庫に出向くと、既に 002号機の罐には 火が入り、発車の準備をしているところでした。
     
  構内には、「工程車」と書かれた小型のレールバスの姿もありました。
     
  新造された客車のサイドには、「豫見鉄路文化主題公園」というマークが 描かれています。

「豫」というのは、河南省の別称 です。
 
     
  出発時刻の9時を迎え、いよいよ 真新しい客車に乗り込みます。

客車は、豫見鉄路の開業に向け、全て新造されたのだそうです(14両あるらしい)。
     
  動き始めたばかりでしたが、車庫近くの踏切で停めてもらい 道路を横断する機関車を撮りました(002号機)。
     
  途中、林をバックにして 撮影させてもらえました(002号機)。
     
  この日は 保線用の工事列車も走ることになっていたらしく、我々の後を 続行運転で 追いかけて来る ディーゼル機関車の姿が見えました(3802号機)。

前面に運転席のない機関車が、無蓋車を牽いて すぐ後ろからやって来る のを見るのは、何とも不思議な感じです。

写真は、作業現場に到着したところで、続行運転も ここまででした。

なお右側に写っているのは、私達の列車の後部に連結されているディーゼル機関車です(3801号機)。



 
     
  当初、私達の乗車した列車は、2-3kmほどで折り返すのではないか?と思っていましたが、先程の工事列車との兼ね合いもあったらしく、19kmほど 先まで走ってくれることになりました。

沿線では 小麦畑も多く、ちょうど収穫時期を迎えているところでした(002号機)。

 
     
  平陌から先は、次第に 周囲の平地が少なくなっていきます。

切通しになった所もあります(002号機)。
     
  切通しの先には、トンネルもありました(002号機)。
     
  線路は 洧水河という川伝いに敷かれていて、列車は3回ほど橋を渡りました。

豫見鉄路では、38.8kmの軌道を修復し、運行する計画ですが、現在までに工事を終えているのは この辺りまでのようです。

付近に 道教の大きな道観(寺院)があるため、観光客の見学コースに組み入れて 折り返すプランを 考えているのだそうです。
     
  先程の石橋を渡り終えたところで折り返し、帰りは ディーゼル機関車に牽引してもらって 戻ります(3801号機)。

なお、500m程 戻ったところにある 別の石橋でも、停めてもらいました。

起点の車庫に 帰り着いたのは 午後1時頃でした。