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河南省地方鉄路 朝杞線
Henan Provincial Railway / Chaoqi Line
2011.1.11
レポート :  【 2010.9 】  【 2011.1 】
         
   
前年の9月に 地方鉄路の廃線跡を見るつもりで 新鄭に立ち寄ったところ、意外にも 一部区間をデュアルゲージに改軌したうえで 存続していることが 確認でき、偶然ながら 貨物列車の走行シーンを眼にすることができました。

中国でも デュアルゲージ区間は非常に珍しいため、その後も 機会があれば 再訪したいと考えていました。

今回は railbus さんも お誘いして、前回同様 鄭州の牛育軍さんの車で 新鄭へ向かいました。
 
   

 
 
  新鄭の街で前泊し、朝の8時過ぎに 機関庫を訪れることにしました。

前回同様、本線(デュアルゲージ)から 分岐する 引込線(ナローゲージ)を辿って行くと、構内の NY380型 ディーゼル機関車が見えてきました。

4ケ月前とは、居並ぶ車両の顔ぶれが少し変わっているようです。
     
  右前面の傷んだ様子から、交通事故が原因の廃車体かと思われます。

部品確保のために 保管されているのかもしれません。
     
  その後ろには、正面に "許昌" と描かれた ディーゼル機関車 が停まっていました。

河南省地方鉄路の禹鄲線の許昌で造られた160馬力の機関車だと、後になってわかりました(1603号機)。

こちらも 廃車体のようです。
     
  更に先へ進んで行くと ターンテーブルがあり、周りには 別のNY380型ディーゼル機関車が停まっています。
     
  隣の車庫から 話し声が聞こえるので 覗いてみると、職員達が 何と 庫内で焚火を囲んで雑談中でした。

好運なことに 右側の男性が運転士で "これから 機関車を走らせるよ" と教えてくれました。




 
     
  庫内には、出力380馬力の 太行52A型 ディーゼル機関車の姿がありました(3828号機)。

 
     
  やがて 運転士は機関車に乗り込み エンジンを始動しました(3828号機)。

瞬く間に、庫内に 白煙が充満して行きました。

一方、助手は 車庫の扉へと向かいます。
     
  暖機運転を 5分程度 行なうと、機関車は 車庫から出てきました(3828号機)。
     
  片運転台の機関車の後部には、梯子を掴む助手の姿がありました(3828号機)。

構内の端で 彼がポイント操作を行なうと、機関車は 車庫の方にへに戻り始めました。



 
     
  始まったのは 貨車の入換作業で、車庫の外や庫内に並んだ貨車を次々に連結すると、長くなった編成を 左手の側線に押し込んで 一段落となりました(3828号機)。

その後は 駅の方に向かうのか? と期待したのですが、機関車は 庫内に戻ってしまいました。

そして運転士から、"今日の運転はこれで終了" と告げられてしまいました(最近は仕業が少ないらしく、実に残念です)。

 
     
  折角なので、機関庫に隣接する 新鄭東駅へ立ち寄ってみました(写真 奥に、先ほどの車庫が見えています)。

この駅は デュアルゲージ区間の東の端にあたり、西の方から来た 標準軌の列車は、ここから 渡り線を経て 国鉄京広線に 進むことになります。

整備されたばかりの構内には、国鉄の東風4型ディーゼル機関車が停車していました(右 0759号機、左 3110号機 など)。
 
     
  続いて、デュアルゲージ区間の西の端(馬塞駅)も 訪れてみることにしました。

馬塞駅の手前には、S323省道をオーバークロスするための真新しい築堤が設けられています。

ナローゲージの列車が走れば、この辺りまで追いかけて 撮ってみるつもりでした。

右側のキロポストから、"新鄭東起点 13km"の地点だとわかります。



 
     
  築堤の先で S323省道を跨ぐのは、ご覧のような立派なアーチ橋です。

こちらも デュアルゲージ化に際して 整備されたものです。

橋の先には、馬塞駅の白い駅舎やヤードをのぞむことができます。

 
     
  橋梁を通り抜け、馬塞駅の構内から 新鄭方面を振り返ってみたところです。



 
     
  先ほど見えていた 馬塞駅の駅舎です。

この駅の北側には 趙家塞煤砿 という炭砿があり、標準軌の引込線で結ばれています。

一方 ここから先 西へ向かう本線区間は、ナローゲージのまま 残されています。


 
     
  駅舎の中には、構内配線の表示板がありました。

左側が 新鄭方面(デュアルゲージ)、右側が 朝陽溝方面(ナローゲージ)、そして下側が 趙家塞煤砿に向かう引込線(標準軌)です。

職員によると、この駅を通るのは 殆どが 趙家塞煤砿からの石炭列車で、朝陽溝方面の列車は 滅多にないようです。  

この後は 車で鄭州空港へ送ってもらい、上海経由で帰国しました。

今回は デュアルゲージ区間での走行シーンが見れなくて、ご一緒いただいた railbusさん には 申し訳ないことをしました。